AI投資:AIバブル来るなら来い!―資産の運用と防衛術―
バブルは常に「過剰流動性」と「物語」の二つが揃ったときに生まれる。そして今、その条件はほぼ満たされつつある。では、我々はこの「AIバブル前夜」にどう向き合うべきか。恐れて回避するのか、それとも戦略を持って乗りこなすのか。歴史が示すのは、バブルを完全に避けることは不可能だという事実である。しかし同時に、ルールと構造を持つ者だけが、熱狂の渦中で資産を守り、時に増やすことができるという教訓でもある。
次に考えるべきは、攻めと守りをどう設計するかだ。
筆者自身のスタンス
筆者自身は、この時点で新規投資は基本的に行わない。すでに資産の一部を現金化し、インデックスの積立だけを淡々と続けている。後はリバランスで対応するのみだ。なぜなら、歴史が示すように、バブルの最終局面では“参加しない勇気”こそ最大の防衛術だからである。
こうしておけば、バブルが来ようが来まいがどちらでもよい。今までより少しだけ市場との距離を取った形だ。リバランス機能によりバブルが来た場合、ルールに基づき資産を売却し、現金化することで利益を得る。来なかった場合は、資産と現金のバランスは大きく変わらず、長期投資用のインデックス投資額が通常につみあがる形だ。これにより市場への関与は通常通り続く。
しかし、問題はリバランス機能を持たせていない人たちだ。
リバランス機能を持たない人のリスク
現金のみの人
- バブルが来ても有価証券を保有していないので資産は増えない。
- 来なかった場合、実質金利がマイナスの現在を鑑みるに購買力は目減りする。
- 結論:ハイリスク、ノーリターン。
株式などの有価証券100%の人
- バブルが来たら資産は増える。
- しかし、バブル崩壊した場合、大幅に資産を減らす結果になる。
- ITバブル崩壊時、リーマンショック時には日経平均株価はともに▲60%を記録。
- 結論:ハイリスク、ハイリターン。
負債過多(住宅ローンなど)の人
- バブルが来たら資産は増える。
- しかし、崩壊後は資産は大幅に減る可能性。
- さらに失業率の上昇、賃金低下により返済負担が大幅に増える。
- 結論:最も危険な立場。
世界経済の大前提と投資家の姿勢
世界経済は長期的には成長する。この事実は揺るがない。
しかし、その恩恵を受けるためには「市場との関与の仕方」を誤ってはならない。
- 現金だけではインフレに削られ、
- 株式だけでは暴落に直撃され、
- 借金過多では金利と収入減の板挟みに遭う。
重要なのは、どのスタンスに立っているかを自覚し、ルールを持って市場と向き合うことだ。
AIバブルは来るかもしれないし、来ないかもしれない。来なければ崩壊もない。しかし、歴史が示すのは「バブルの可能性」があるときにこそ、冷静な構えが必要だということだ。バブルが来ようが来まいが、最後まで冷静に関与できた者だけが、歴史の韻を資産形成のリズムへと変えることができる。
関連テーマ:
参考文献:
歴史的バブル比較(ITバブル・リーマンショック)
- Kindleberger, Charles P. Manias, Panics, and Crashes: A History of Financial Crises. Basic Books.
- Shiller, Robert J. Irrational Exuberance. Princeton University Press.
日本バブルとの比較
- 浜矩子『バブルと戦後経済』岩波新書
→ 日本のバブル経済の必然性とその崩壊過程を整理。 - 岩田規久男『日本のバブル』東洋経済新報社
→ 金融政策と資産価格の関係を詳細に分析。
AIバブル関連の最新分析
- りそな銀行経済Flash「AIブームは90年代末の再現か」【PDF】
Resona Bank レポート
→ ITバブル期と現在のAIブームを金融環境・労働市場から比較。 - 八木沢知倫「AIブームは第2のITバブルか ― 歴史が教える投資の教訓」
note記事
→ ITバブルとの共通点と相違点を整理し、投資家への示唆を提示。 - Bloomberg「AI巡る熱狂が過去最大のバブルに」
Bloomberg記事
→ ペイパルマフィアのジャック・セルビー氏が「AIバブルは過去最大規模」と警告。
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