8月末、日経平均とTOPIXの月足MACDがそろってゴールデンクロスを描いた。あれから2カ月、株価はどう動いたか。日経平均は約20%上昇、TOPIXは7%程度の伸びにとどまっている。数字だけ見れば「日経平均の圧勝」だが、その裏側には構造的な歪みが潜んでいる。
日経平均は価格加重型指数だ。つまり、株価の高い銘柄が指数を大きく動かす。ファーストリテイリング、アドバンテスト、東京エレクトロン――この3銘柄の寄与度は圧倒的だ。10月29日、アドバンテストの好決算を受けて日経平均は1,000円超の急騰を演じた。しかし、東証全体では9割の銘柄が下落していた。市場の実感と指数の動きが乖離する典型的な場面だ。
一方、TOPIXは時価総額加重型。市場全体の温度感に近い動きを示す。だからこそ、今の乖離は「循環物色」の序章と見るべきだ。日本市場は上昇トレンドを形成すると、まず日経平均が先行し、後からTOPIXが追いかける。このパターンは過去にも繰り返されてきた。
注目すべきはNT倍率――日経平均をTOPIXで割った値だ。現在、15倍に迫っている。経験則では、この水準は過熱のサインだ。過去の局面では、15倍付近でピークを打ち、12倍程度まで緩やかに低下する過程でTOPIXが相対的に強くなる。今回もそのシナリオが濃厚だ。
もちろん、MACDのゴールデンクロスだけで「長期上昇」を断言するのは早計だ。しかし、価格乖離、NT倍率の過熱、寄与度の集中――複数のシグナルがそろっている今、循環物色の後半戦に備える合理性は高い。
戦略はシンプルだ。TOPIX連動の比率を厚めにし、銀行・保険、商社、内需ディフェンシブなどのバリューセクターに目を向ける。上級者なら、NT倍率15倍超でTOPIXロング/日経ショート、13倍接近でクローズというペアトレードも選択肢になる。
日本市場は好調だ。しかし、その「好調」がどの銘柄に支えられているのかを見極めることが、次の一手を決める鍵になる。
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参考文献:
日経平均とTOPIXの構造的違い・乖離
- 東京海上アセットマネジメント「日経平均株価とTOPIXの違い」
PDF資料 - note「日経平均とTOPIXの乖離、半導体サイクルが映す相場の行方」
記事リンク - Bloomberg「走る日経平均に遅れるTOPIX、好業績の裾野拡大が追撃の鍵」
記事リンク
MACDゴールデンクロスと株価動向
循環物色・NT倍率
TOPIX連動戦略・バリューセクター

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