日本の円安は止まらない。2025年4月のトランプ関税ショックでドル円は152円から140円台へ急落したが、11月現在は157円を突破した。私は147円で1万通貨を保有し、すでに10万円の利益が乗っている。利確はせず、スワップを受け取りながらチャートの形を見守っている。月足では140円で二度反転し、現在は157.50円の壁に挑んでいる。ここを抜ければ昨年の高値162円が視野に入るのではないか――そんな思いが、保有を続ける理由になっている。
報道では為替の動きについて、いろいろなロジックで不適切な説明が多い。よく「金利差で決まる」と言われるが、それだけでは不十分だ。リーマンショック後の長期円高を思い出してほしい。当時、日本はゼロ金利だったにもかかわらず、ドルに対して円は強かった。
東北大震災の際も同様だ。震災直前は1ドル=81円ほどだったが、円は75円まで上昇した。当時は「円安になる」と騒がれたが、逆に円高が進んだ。最近では「円は安全資産ではなくなった」という見解すらあるが、これも誤りだ。円高の背景は安全資産だからではなく、日本が莫大な対外純資産を持っているからだ。大きな資金需要が発生すると、海外資産を売却して円を調達するため、円の需要が高まり円高になる。
リーマンショック後の円高も、単純な金利差ではなく「実質金利差」で説明できる。実質金利差とは「名目金利-インフレ率」で決まる。現在の米国を見れば、FF金利は3.75〜4.00%、インフレ率は約3%なので実質金利はプラス。つまり「お金を使うより預けておいた方が価値が増える」構造だ。
翻って日本はどうか。政策金利は0.50%、インフレ率は約3%なので実質金利はマイナス2.5%。円の価値は下がっていく状態にある。米国と日本の実質金利差を計算すればプラス4%ほどになり、ドルを保有する方が有利になる。リーマンショック後の円高はこの逆で、日本はデフレ下で実質金利がプラス、米国はゼロ付近だったため円高が進んだ。つまり「円が安全だから円高になった」のではない。
現状を踏まえると、しばらく円高には戻らないだろう。日銀が少しずつ金利を上げる可能性はあるが、日本の実質金利がマイナスである限り、強い円高は期待できない。米国と日本の実質金利差が縮小したときに徐々に円高に戻ると考えられるが、高市政権の積極財政政策によってインフレが続き、消費が活発化すれば、むしろさらなる円安もあり得る。予想外のインフレが襲い急激な金利引き締めで経済再生の腰を折らなければ良いが。また、以前のような金融収縮が起きない限りは、今の基調は変わらないだろうと思っている。そういうわけなので私のドル円戦略は急激な円高時にはドル買いをしようと思っている。
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