2026年4月28日、ついに最終出社日を迎えた。
この日やるべきことは、最後の引継ぎの打ち合わせと、会社から貸与されているパソコンや社員証の返却手続き。午前中で終わると思っていたが、引継ぎ業務に追加の依頼が入り、その手順書を作成したため、返却手続きは午後にずれ込み、退社時刻は16時を過ぎてしまった。
10年の勤続。長いようで、やはり長い期間だった。
ここからは有休消化期間となる。正式退職日は5月31日。それまでは、いわばFIREのプレ期間だ。ただ、6月に生まれてくる予定の第二子のために、上の子と妻が不在になる入院・出産期間の“シミュレーション期間”でもある。
退職後には収入はない。計算上は十分な資産があると思っているが、不安がないわけではない。そこで、成功するとは限らないが投資法人(マイクロ法人)を作ろうと思っている。運用益の節税が目的だが、それ以外にも、元手がほとんどなくてもできる事業を試してみたい。うまくいけば良いし、うまくいかなくても構わない。
この日はとにかく疲れた。ほとんど仕事をしていないのに、18時半には酒を飲んで寝てしまった。
ガムシャラに働いてきた疲労の蓄積だろうか。とうに疲労負債は返済済みのつもりだったが、昔のように元気が戻らない。仕事を進めるには怒りをエネルギーに変換するしかなかった時期が長かったので、思った以上に負債は大きかったのかもしれない。あるいは、肩の荷が下りた反動かもしれない。
ここで一つ気づいたことがある。
日本の労働環境は「怒り」「緊張」「義務感」を燃料にする設計になっている。だから、それを手放した瞬間、エネルギー源が消える。これは怠けではなく、OSの仕様だ。
自分を会社仕様から個人仕様へ移行する時期には、必ず“脱力”が起きる。これは構造的現象であり、個人の問題ではない。
FIRE達成者のYouTubeでの感想をたまに見るが、想像以上に開放感があるという声が多い。
私もいくつか興味のあることを試しつつ、法人にお金を残す工夫をしていこうと思う。自由な時間が長いと退屈になるという人もいるが、私はそのタイプではない気がしている。
むしろ、これまで会社仕様の中で抑圧されていた“個人仕様へのアップデート”がようやく始まる。
FIREプレ期間とは、単なる休暇ではなく、個人仕様への切り替え期間なのだ。
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