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第二十八話:なぜ、減税されないの⁉ー政府債務圧縮計画その2ー

アルケーアカデミー社会の授業

政府債務圧縮計画と実質金利

想(ソウ)ちゃん:先生、前回は減税されない理由はもう少し複雑って言ってたけど、どうなの?

思惟(シイ)ちゃん:そうね。実質金利が重要とも言ってたわ。

AI先生:そうでしたね。ではまず、実質金利というものを説明しましょう。

実質金利は2012年以降、急激に下がりました。これはアベノミクス開始のタイミングと同じです。当時、これまでにないほどの円高(75円/$)だったにもかかわらず、実質金利はプラスでした。つまり、貯金していた方が有利な状態だったのです。

想ちゃん:どういうこと?

AI先生:当時の日本経済はデフレ下でした。物の価値が下がり、お金の価値が上がる状態です。そこに実質金利プラスが加わると、貯金しているだけで購買力が増える。だから政府は実質金利をマイナスにして、借金や投資を促そうとしました。そのために黒田日銀総裁が異次元の金融緩和を行い、短期金利だけでなく長期金利まで引き下げたのです。

想ちゃん:実質金利がプラスだと貯金が有利?じゃあ、マイナスだと…借金が有利?

AI先生:その通り。例えばインフレ率3%、金利1%なら実質金利は−2%です。

100万円を預けると翌年は101万円

物価は103万円相当まで上がる

→ 購買力は減ります。

逆に、同じ条件で100万円を借りて資産性の高いもの(不動産や金など)を買えば、翌年返す金額は101万円ですが、資産価値は103万円相当になっている可能性があります。

思惟ちゃん:なるほど。じゃあ日本政府はこの性質を利用して借金を減らそうとしてるのね。

AI先生:そうです。さらに、インフレ下では税収も増えます。これは「インフレ税」と呼ばれ、物価が上がることで消費税や所得税の名目額が増える現象です。

ただし、これは国民の購買力が目減りする「見えない増税」でもあります。だから政府は、今のインフレ+低金利環境を壊したくないのです。

思惟ちゃん:でも海外は金利を上げたよね?

AI先生:はい。米欧は2021年末からの急激なインフレ(2022年6月には前年比10%超)を抑えるため、政策金利を大幅に引き上げ、実質金利をプラスにしました。

一方、日本は実質金利マイナスを維持し、政府債務の実質的な負担軽減を優先しました。

想ちゃん:そういう理由で減税に消極的なんだね。

AI先生:そうです。減税で景気が過熱するとインフレ率がさらに上がり、金利引き上げが必要になり、実質金利がプラス化してしまう。それは政府債務にも景気にも負担になるため、避けたいのです。

結論:

政府は、マイナス実質金利とインフレ税という構造を維持することで、債務負担を実質的に軽くしているため、減税には慎重になっている。

今回の話は減税しない日本の経済事情について納得いただけましたか?

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