アルケーアカデミー体育館
今日はアカデミーの課題の発表会です。想の課題は学内の予選を突破し、これから全校生徒の前で自分の課題を発表するのを待っています。
大きな空間に響くのは生徒たちのざわめきと、マイクから微かに流れる静かな準備の音。明るい照明が舞台を照らし、生徒たちの視線が一斉にそこに集中している。発表者たちが次々と名前を呼ばれ、舞台へと向かう中、体育館の空気には期待と緊張が入り混じる。想はその光景を見つめながら、椅子の端に座って手をぎゅっと握りしめていた。名前が呼ばれるたびに心臓が跳ねる。「想ちゃん、そろそろ準備して!」 思惟が小声で言うと、想は顔を上げたが、声にならない言葉を口にするだけ。背中には冷や汗が伝う。舞台の向こうでは、発表を終えた生徒が安心した表情で降りてくる。次に呼ばれるのは自分だという思いが、一気に胃に重くのしかかる。
ついにアナウンスが響く。 「次の発表者、想くんです!」
その瞬間、体育館の空気が一瞬静まり、全員の視線が彼に向けられる。思惟が「行ってきて、頑張って!」と軽く肩を叩くが、想はお腹を押さえながら小さな声で「うう…緊張する」と呟く。
思惟(シイ)ちゃん:あれ、確かに緊張するとおなかが痛くなることがある。なんでだろう?
みなさんはひどく緊張した時、お腹が痛くなることはありませんか?これは脳と腸が直接つながってるからなんです。
思惟(シイ)ちゃん:AI先生、緊張するとおなかが痛くなることがあるのだけど、どうしてですか?
AI先生:良いところに気づきましたね。それは「脳腸相関」というもので脳と腸が密接に関係しているからなんです。では、今日は脳腸相関について学びましょう。
脳腸相関
脳腸相関(のうちょうそうかん、英: brain-gut interaction)とは、脳と腸が互いに影響を及ぼし合う双方向の関係性を指します。これは単なる比喩ではなく、神経・ホルモン・免疫・腸内細菌などを介して、実際に情報がやり取りされていることが科学的に示されています。
脳腸相関の基本メカニズム
1. 神経系のつながり
脳と腸は迷走神経などの自律神経を通じて直接つながっている。
ストレスを感じると腸の動きが乱れたり、腸の不調が不安や抑うつ感を引き起こすことがある。
2. ホルモンと神経伝達物質
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの約90%は腸で作られている。
腸内環境が悪化すると、セロトニンの生成が減り、気分の不安定さにつながる。
3. 腸内細菌の影響
腸内細菌が作る代謝物(短鎖脂肪酸など)が脳に影響を与える。
特定の腸内細菌がストレス耐性や睡眠の質、認知機能に関与していることがわかってきている。
具体的な例
緊張するとお腹が痛くなる:脳がストレスを感じ、自律神経を通じて腸の運動が過敏になる。
腸の不調で気分が落ち込む:腸内環境の悪化がセロトニンの生成を妨げ、脳の感情調整に影響。
腸活でメンタルが安定する:発酵食品や食物繊維の摂取で腸内細菌が整い、脳の働きも改善される。
健康への応用
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、腸内環境を整えることでメンタルケアにもつながります。
プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌)やプレバイオティクス(食物繊維・オリゴ糖)などの摂取が推奨されています。
思惟(シイ)ちゃん:そんなに脳と腸に関係性があったなんて知らなかった。気分がすぐれないときは腸の調子を疑った方がよさそうね。
AI先生:心の健康を守るためには腸の健康を守らなければなりませんね。
想(ソウ)ちゃん:確かに発表が終わった途端、痛かったお腹が痛くなくなった。人間の体って面白いですね。
AI先生:そうですね。人間の体は全く関係ないような部位と部位がつながっているんですよ。たとえば、足三里(あしさんり)というツボが膝のお皿の外側下にありまして、そこを軽く揉むように押すとおなかの痛みが改善することがあります。
想(ソウ)ちゃん:うう、それさっき知っておけばよかった。
みなさんは気分が落ち込んだ時はどうやって解消しますか?
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