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第二話 幸福とは何か?ー「意味」と「満足」が交差する瞬間のことー


 ある日の夕食時の会話 

思惟(シイ)ちゃん:今日の晩ご飯、サイコー。お母さんのご飯を食べてるときが一番幸せ」 

思惟ちゃん母:あら、お母さんはあなたが幸せなら私も幸せだわ。 

思惟(シイ)ちゃん:幸せってなんだろう?


「自分が幸せだと、誰かも幸せになる?」

「誰かが幸せだと、自分も幸せになる?」

「じゃあ、幸せって“伝染する”ものなの?」


AI先生:では幸福について考えてみましょう。


みなさんの日常の中にも、さまざまな瞬間で“幸福”を感じることがあると思います。その幸福は、一体どのような性質を持つのでしょうか?実は、幸福は一般的に以下の五つの種類に大別されるのです:


快楽的幸福(ヘドニア)

意味: 喜びや楽しさなど、瞬間的な感情から来る幸福。

例: 美味しいものを食べる、大好きな映画を見る、お気に入りのカフェで過ごす。

特徴: 短期的で気分に左右されやすい。


充実的幸福(ユーダイモニア)

意味: 自分の価値観や目標に従って生きる満足感。

例: 誰かを助ける、自己成長を感じる、プロジェクトを遂行する。

特徴: 長期的で深い満足感を伴う。

関係的幸福

意味: 人間関係や愛情から来る幸福。

例: 家族との団らん、友人との時間、コミュニティ活動。

特徴: 社会的つながりが中心。

内面的幸福(心の平穏)

意味: 心の静寂とバランスによる幸福。

例: 瞑想、自然の中でリラックス、感謝の気持ちを持つこと。

特徴: 外部環境にあまり影響されない静かな幸福。

成就的幸福

意味: 目標達成や努力が実を結んだ時の幸福。

例: テストに合格、スポーツ大会で勝利、夢の実現。

特徴: 達成感と喜びが中心。

思惟(シイ)ちゃん:幸せって、自分の中だけじゃなくて、誰かとのつながりの中にもあるんだ。だから、お母さんの笑顔を見ると、もっと幸せになるんだ。

 AI先生:その通りです。幸福は一つの側面だけでなく、重なり合うことでさらに豊かなものになります。たとえば、思惟ちゃんが感じる食卓での幸せは、快楽的幸福(味覚)と関係的幸福(絆)の両方が組み合わさったものなのです。

みなさんはどのような時がもっとも幸福を強く感じますか?また、その幸福はどのような種類のものですか?

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