AIブームの裏側で、静かに積み上がっている“見えないリスク”がある。それは株価でも金利でも地政学でもない。 電力だ。 2023〜2025年にかけて、世界中でデータセンター建設が過熱した。特にアメリカは世界のデータセンターの約半分を抱え、2025年は新規稼働が過去最大規模に達したとされる。AIサーバー、HBM、DRAMの需要は爆発し、メモリ価格は前年比170%を超える異常な高騰を記録した。そして、この過熱を象徴するように、マイクロンの株価は2025年の安値からわずか数ヶ月で4倍以上に跳ね上がった。 業績改善という“理由”はあるものの、株価の伸びはそれを明らかに上回っている。 この動きは、AIインフラ投資がすでに“バブルの初期段階”に入っている可能性を示唆している。だが、この急成長には“限界”がある。そしてその限界は、意外にも電力インフラにある。 データセンターは電力網を食い尽くす AIデータセンターは、従来型の数倍の電力を消費する。アメリカの電力信頼度機関(NERC)はすでに「電力不足リスクは高い」と警告しており、2025年の猛暑ではニューヨークやバージニアで停電が発生した。これはまだ“序章”にすぎない。2026年、2027年にかけて本格稼働するデータセンター群が一斉に電力を要求し始める。送電網はすでに限界に近く、発電所の建設は政治的・規制的に遅れ、追いつかない。 猛暑 × データセンター稼働ピーク この組み合わせは、電力網にとって最悪の条件だ。 停電 → 建設規制 → 投資停止。AIバブルの“露呈点”は2026年か もし2026年の夏に猛暑が来れば、 • 停電 • 電力制限 • データセンター停止 • 建設モラトリアム(規制) が連鎖的に起きる可能性がある。これは単なる技術的問題ではなく、AIインフラバブルの崩壊の狼煙になり得る。DRAMやHBMの価格は急落し、AI関連株は需給の反転で調整に入る。市場は「電力」という見落としていた制約に突然気づくことになる。 奇妙な一致──ベナーサイクルの“2026年ピーク” 歴史的サイクル論であるベナーサイクルは、2026年を「ピークの年」と示唆する。サイクル論そのものの科学的根拠は弱いが、実体経済の構造リスクと時間軸が偶然にも重なっている点は興味深い。 • データセンター稼働ピーク • 電力インフラの限界...
問いを育てることを目的にしています