一時の気温が40℃に迫るうだるような暑さはなりを潜め、通常の夏に戻った感がある。テレビでは戦後何年という追悼番組、高校野球、先日起こった熊本地震のニュースのどれかが民放各局で流れていた。 思惟ちゃんの家。 まだ暑過ぎない時間帯、思惟が自室で夏休みの課題に向き合っていると、玄関のほうから話し声が聞こえ始めた。思惟の母が、幼い子供を連れた近所の奥さんと立ち話をしているようだ。 「……そうなのよ、先日うちの子が手足口病にかかっちゃって。高熱は出るし口の中が痛くてご飯は食べられないしで、本当に大変で……」 「あらまあ、大変だったわねえ。でも手足口病なんて、私たちが子供の頃には聞いたことがなかった病気よねぇ……」 自室まで届く会話を聞きながら、思惟はペンを止めた。 思惟ちゃん :「手足口病か……テレビのニュースで流行しているって聞いたことがあるな。自分が小さかった頃にかかったかは覚えていないけれど、お母さん世代の子供時代には存在しなかった流行り病なんてあるのかな?」 気になった思惟は、夏休みの課題を一旦脇に置き、AIを使って手足口病について調べてみることにした。 【検索結果:手足口病(HFMD)について】 1. 概要と主な症状 手足口病(Hand, Foot, and Mouth Disease, HFMD)は、主に乳幼児を中心に夏場に流行するウイルス性の感染症。感染から3〜5日程度の潜伏期間を経て、以下のような症状があらわれる。 水疱(水ぶくれ)を伴う発疹 手のひら、足の裏、口の中に2〜3ミリ程度の小さな水ぶくれ(赤みを帯びた発疹)ができる。肘、膝、お尻まわりに広がることもある。 口の中の痛み 口内の水疱が破れて強い痛みを伴う口内炎(潰瘍)になり、飲食を嫌がる主な原因となる。 発熱 感染者の約3分の1に発熱(主に37〜38度台)が見られる。 治癒後の経過 多くの場合は3〜7日程度で自然に回復する。なお、近年の流行型(コクサッキーウイルスA6など)では、治癒して1〜2か月ほど経った後に、一時的に手足の爪が剥がれるケースがある(※痛みなく新しい爪が生えてくる)。 2. 歴史と背景 発見(1950年代) :1950年代後半、ニュージーランドやカナダなどで臨床的・ウイルス学的な報告が相次ぎ、新しい疾患概念として確立(1958年にコクサッキーウイルスA16型が原因として分離・...
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