今年も年の瀬を迎えた。
心は驚くほど晴れやかだ。子どもはすくすく育ち、毎日惜しみなく幸せを与えてくれる。二人目の誕生は、その幸福をさらに加速させた。資産もまた、今年は信じられないほど伸びてくれた。SNS界隈では富裕層、準富裕層、アッパーマスといった言葉が飛び交っているが、私も今年ついに“ギリギリ富裕層扱い”のラインに到達した。
だが、そんな順風満帆な一年の裏側で、私はひとつ大きな失敗投資を清算した。
今日はその話をしようと思う。
■ 25年の投資歴で学んだこと
私の投資歴は25年になる。2001年、最初に買った銘柄は日本油脂。10%のキャピタルゲインを得た時の興奮は今でも鮮明に覚えている。
その後は「中国株が熱い」という空気に乗り、中国株へ全力投資した。
しかしそこで学んだのは、情報リスクが大きい市場では分散が命だということ。一攫千金は存在しない。為替は円安になればそのうち円高になるという世界観で、中国株はドル連動しやすい。上海はドルベース、深圳・香港は香港ドル(ドルペッグ)。その構造理解が、後の“失敗投資”の伏線になっていた。
■ コロナ禍で出会った「インデックス投資」という思想
2020年、コロナ禍で株価が暴落した頃、FIRE本が流行し始めていた。そこで私は「4%ルール」と「インデックス投資」を知る。個別株しか知らなかった私にとって、これは目からうろこだった。
• 個別株:安く買い、高く売る。利確が必須。
• インデックス:銘柄が入れ替わり続け、指数は長期的に上昇するよう設計されている。利確不要。
税金も売買手数料も抑えられる。「必要になるその時まで持ち続ければいい」という思想は、私の投資観を大きく変えた。当時は投資信託に“手数料が高い”という古い印象があり、まずはETFでオルカン相当の商品を買い始めた。
■ そして訪れた「大失敗」
私が読んだ本には、「債券を混ぜるとポートフォリオの値動きが安定する」と書かれていた。そこで私は米国10年債ETF(為替ヘッジ有)を購入した。これが大きな誤りだった。当時のポートフォリオは
• 株式50%
• 債券25%
• REIT25%
という構成。だがその後、米国金利は急上昇し、債券価格は下落。さらに日米金利差が拡大し、ヘッジコストは上昇。円安が進んでも、ヘッジ有のため恩恵はゼロ。金利高の損失だけを受け取る構造になってしまった。日本人にとって為替ヘッジ有の債券ETFは、こうした状況で極めて不利に働く。後から気づいたが、日本では債券より“現金”のほうがポートフォリオ安定に寄与する場面が多い。
■ 2025年、ついに損切り
今年、トランプ氏の再選に伴う関税騒動で米国債券価格が下落したタイミングで、私は損失を確定させた。損失額は200万円以上。この穴埋めに、今年一年を丸ごと使うことになった。
■ この失敗から得た3つの教訓
今回の経験から、私は次の3つを強く学んだ。
① 日本人にとって「為替ヘッジ有」は構造的に不利になりやすい
日米金利差が大きい限り、ヘッジコストは重くのしかかる。
② 債券は“現金の代替”として考えるべき
特に日本では、債券より現金のほうがリスク調整後リターンが良い場面が多い。
③ インデックス投資の本質は「利確不要の設計思想」にある
個別株の延長線で考えると、判断を誤る。
■ 最後に
今年は資産が大きく伸びた一方で、過去の判断ミスを清算する一年でもあった。だが、失敗は必ずしも悪いものではない。むしろ、投資家としての“構造理解”を深める貴重な機会になる。
あなたのポートフォリオには、知らないうちに“構造的な不利”が入り込んでいないだろうか。
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