護送船団方式という言葉をご存じだろうか。 行政が業界全体の歩調を最も弱い企業に合わせ、倒産を出さずに安定を維持する日本特有の金融行政モデルである。
護送船団方式の本質
弱者保護
横並び
競争の抑制
行政による秩序維持 という、通常なら経済成長を阻害するはずの要素ばかりだ。
ところが日本では、この“失敗するはずの制度”が戦後長く、驚くほどうまく機能した。焼け野原であった日本は1968年には世界で2位のGNPを誇るまでに経済は回復した。戦後からわずか23年での達成だった。それほどまでにこの方式はうまくいった。また、金融だけでなく、産業界、自治体、メディア、教育に至るまで、この方針は社会の基盤として浸透していった。
なぜ日本だけが例外だったのか。
なぜこの制度は、日本では成功し、他国では成立しなかったのか。この問いは、従来の経済学では説明できない。 しかし、先日、投稿したAIエッセー:日本特有の現象をうまく説明する方法において述べた仮説「性善説ベースの制度」という視点を導入すると、驚くほど整合的に理解できる。
人は行政指導に従い、不正をせず、協調する
弱者保護は「不正をしない弱者」が前提
弱者保護は本来、
・体力のない企業
・戦後の混乱で資本不足の企業
・地方の中小企業を守るための仕組み。
しかし、性悪説ベースではこうなる:
・弱者保護を悪用して補助金を抜く
・行政指導を無視して勝手に利益を追求
・横並びを破って市場を荒らす
つまり、弱者保護は「弱者が善良である」ことが前提
横並びは「強者が弱者に合わせる」善意が前提
横並びは、強者が弱者に歩調を合わせる制度。
これは性善説ベースでしか成立しない。
性悪説ベースでは:
・強者は弱者を踏みつける
・行政指導を無視して市場を独占する
・弱者保護を「不公平」として破壊する
つまり、横並びは“強者の善意”が制度の柱。
これは性善説ベースでしか成立しない。
性悪説ベースでは:
・強者は弱者を踏みつける
・行政指導を無視して市場を独占する
・弱者保護を「不公平」として破壊する
つまり、横並びは“強者の善意”が制度の柱。
競争抑制は「不正競争をしない」前提が必要
競争を抑制するということは、・価格競争をしない
・シェア争いをしない
・他社を潰さない
という“暗黙の紳士協定”が必要。これは性善説ベースでしか成立しない。
性悪説ベースでは:
・競争抑制=談合の破り得
・裏で不正価格
・行政の目を盗んで利益独占
つまり、競争抑制は「不正をしない企業文化」が前提。
行政による秩序維持は「行政指導に従う」前提
護送船団方式の最大の特徴は、・行政指導(行政が“お願い”するだけで企業が従う)。
これは世界的に見ても異常な制度。
性善説ベースでなければ成立しない。
性悪説ベースでは:
・行政指導は無視される
・監視・罰則がなければ従わない
・行政と企業が対立する
つまり、行政指導=性善説の象徴。
総合すると、護送船団方式は、
「人は善である」という前提の上に、行政・企業・社会が“協調”することで成立する制度。
そのため他国では成立せず、日本特有の現象という形で現れた。なぜ、この性善説ベースの制度がうまくいったのか?これも仮説だが、大戦の清算があまりに大きすぎ、性悪説ベースの確実な制度を敷くことが出来なかったのではないか?今回の護送船団方式という制度もそうだが、性善説ベースの制度がで敷かれていることが多すぎる。性悪説的な制度を構築するためにはリソース(金、人、物)があまりに不足していた影響なのではないか?その結果、性善説ベース、人の善意に頼らなければ回すことが出来ない社会が出来上がってしまったのではないか?と推察する。性悪説ベースで制度を考える必要があるということは人は悪知恵を働かせ、少しでも有利になるように行動するという前提による制度だ。当時、国だけではなくもちろん、日本国民が善意で形成されているから成立したのではなく、国民自体も考える余裕などなかった環境が疑似的な性善説ベースの制度がうまくいったといえるのではないか?と推察されるのである。
次回、以降、国を挙げた護送船団方式の限界について考察してみようと思う。
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